積水が地面師に騙された

積水ハウスは、売上高約2兆円を誇る大手住宅企業だ。その大企業が、“地面師”と呼ばれる詐欺グループに55億円を騙し取られた。そして、事件をきっかけに当時の会長と社長が責任をなすりつけ合い、1月に開いた取締役会で互いの「解職動議」が出て、最終的に会長が辞任する事態が勃発した。

積水ハウスは3月6日、「分譲マンション用地の取引事故に関する経緯概要等のご報告」「当社取締役会の議事に関する報道について」という題名のついた二つの資料を公表した。前者は詐欺事件、後者はトップの内紛に関するものだ。前者の「報告」資料は地面師詐欺の概要を説明している。

事件は、積水ハウスの東京マンション事業部が2017年3月、東京都品川区西五反田にある約2000平方メートルの不動産(廃業した旅館の土地・建物)の売買情報を入手し、マンション用地として購入に動いたことが発端だ。

積水が地面師に騙された」への5件のフィードバック

  1. 地面師… ღ 

    身分証明書や印鑑証明書を偽造し、他人の土地の所有者になりすまして土地を無断で売却し、代金をだまし取る詐欺グループ。高齢化などで管理の行き届いていない都心部の空き家などが狙われやすい。一つのグループで10人以上いることもあり、なりすまし役や偽の証明書を用意する役、売買の交渉役などが役割分担している。書類の偽造が発覚してもグループは姿をくらました後で、代金を回収できないケースが多い ღ 

  2. 所有者のパスポートは偽物だった!

    積水の事業部担当者が所有権移転登記を申請したところ、6月9日に申請が却下された。所有者と称していた者は詐欺師で、パスポートや公正証書といった本人確認書面を偽造していたことがわかった。仲介業者も詐欺グループの一員。積水ハウスは慌てて留保金と相殺したが、55億5900万円が戻らず、直ちに捜査当局に被害届を出した。

    都心部で手ごろなマンション用地は払底しており、売却話があれば奪い合いになる。いち早く契約した業者が勝ちだ。とはいえ、担当事業部は不動産取引のプロ。なぜ、コロッとだまされてしまったのか。「本物の所有者」という者から何度も接触があったのに、疑いは持たなかったのか、社内審査はきちんとされていたのか、という疑問が次々と湧く。

    公表された「ご報告」は、「本件の被害を防止できなかった原因について」との項目で、まず、所有者と称した詐欺師について「書面での本人確認を過度に信頼し切っていた」とし、調査が不十分なまま契約を進めたと指摘した。

  3. 警視庁は偽造書類提出容疑で8人を逮捕した。

    東京都品川区の土地取引を巡り積水ハウスが約55億円をだまし取られた事件で、警視庁捜査2課は16日、土地所有者の女性になりすました職業不詳の羽毛田正美容疑者(63)東京都足立区足立4ら男女8人を、偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の疑いで逮捕した。

    ほかに逮捕されたのは会社役員の永田浩資容疑者(54)板橋区常盤台1ら。羽毛田容疑者は「(所有者に)なりすましたことは間違いない」としているが、逮捕容疑については認否を明らかにしていない。残る7人は容疑を否認している。

    同課は10人以上の「地面師」グループの犯行とみて捜査。海外に出国した主導役の男ら数人の行方を追っている。積水ハウスに対する詐欺容疑を視野にグループの役割分担や詐取金の流れを調べる。

    8人の逮捕容疑は、2017年6月、品川区西五反田にある約2千平方メートルの旅館跡地について、所有者に無断で所有権の移転登記をしようとし、法務局に偽造した委任状などを提出した疑い。

    同課は、積水ハウスとの取引で所有者になりすましていた女が羽毛田容疑者だったと特定するとともに、取引に関わった関係者の事情聴取などを進めていた。

  4. 舞台となった”海喜館”(東京都品川区西五反田2-22-6)
    女将は海老澤佐妃子さん。昭和50年に相続した。

    不動産業界ではこの「海喜館」を巡って、大きな詐欺事件が発生、一大騒動になっている。
    大手の積水ハウスがこの物件を購入しようとし、売買代金70億円のうち63億円を支払ったところ、購入相手と連絡が取れなくなってしまったという事件です。
    積水ハウスプレスリリース
    当社が分譲マンション用地として購入した東京都内の不動産について、購入代金を支払った にもかかわらず、所有権移転登記を受けることができない事態が発生いたしました。
    本件不動産の購入は、当社の契約相手先が所有者から購入後、直ちに当社へ転売する形式で 行いました。購入代金の決済日をもって、弁護士や司法書士による関与の下、所有者から契約 相手先を経て当社へ所有権を移転する一連の登記申請を行ったところ、所有者側の提出書類に 真正でないものが含まれていたことから当該登記申請が却下され、以降、所有者と連絡が取れ ない状況に至りました。
    http://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/datail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/02/20170802.pdf

  5. 警視庁は主犯格の一人北田文明容疑者の逮捕状を取り、29日午後にも逮捕する方針を固めた。
    警視庁が逮捕状を取った北田文明容疑者(58)は去年6月、積水ハウスとの土地取引の際、所有者に無断で登記を移転しようとしたなどの疑いが持たれている。関係者によると、北田容疑者はすでに逮捕されている佐々木利勝容疑者(59)に騙し取った金を入金させるための口座を用意させたり、10億円以上の現金を引き出させたりするなど金庫番の役割を担っていたとみている。北田容疑者は別の事件で裁判中で、今後、身柄を勾留先の立川拘置所から警察署へと移送し、午後にも逮捕する方針。

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