韓国・尹錫悦新大統領が就任

韓国・尹錫悦新大領 5年ぶり保守系政権始動

5年ぶりに復活する保守系政権は、不動産市場の安定化や新型コロナウイルスで影響を受けた経済の活性化に取り組む。核・ミサイル開発を加速化させる北朝鮮への対応や悪化した日韓関係の立て直しなど、外交・安全保障の問題も山積する中、国会議員などの政治経験がない元検事総長の尹氏の手腕が問われることになる。

尹氏は今年3月に行われた大統領選では0・73ポイント差で辛勝しており、保革で分裂した国民の融合も大きな課題である。9日に任期満了を迎えた文在寅大統領は退任のあいさつで「選挙の過程で深まった葛藤の谷を埋め、国民統合の道に進む時、大韓民国は成功の道にさらに力強く前進するだろう」と述べた。

大統領就任式は10日午前、ソウルの国会前広場で約4万1000人が参加して開かれる予定だ。日本からは岸田文雄首相の特使である林芳正外相らが出席する。尹氏は就任式の演説で、大統領として初めて、国民に直接、国政運営のビジョンを示す。

韓国・尹錫悦新大統領が就任」への1件のフィードバック

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    さらば文在寅、退任間際まで次期大統領を批判しまくり、見苦しすぎる引き際韓国の文在寅大統領

    5月9日の18時をもって大統領の座から退くことになる韓国の文在寅大統領が、このところ連日、尹錫悦次期大統領に向かって非難と毒舌を浴びせている。自分の退任と地方選挙を目前に控えて支持層を引き締めようとする意図が透けて見えるが、韓国国民の反応は極めて冷ややかだ。

    すでに決まった「大統領執務室移転」にしつこく反対

    文在寅大統領による「尹錫悦次期大統領」批判の最大攻撃焦点は「大統領執務室の移転」問題だ。尹錫悦氏が大統領に当選し、青瓦台(大統領府)開放と執務室移転を公表すると、文在寅政権と共に民主党は「安保空白」を理由に執務室移転に強く反対してきた。

    しかし、尹次期大統領は自分の意思を曲げず、結局、大統領就任式が行われる5月10日から青瓦台は全面開放され、尹新大統領は国防部のある龍山で執務を始めることが決まった。

     このようにすでにケリがついた事案であるにも関わらず、文大統領は今も非難を続けている。

    「個人的に気に入らない。執務室を移すのは国家の百年大計だが、どこが適切なのかなどをめぐって世論の収斂もしなかった。安保危機が最も高まる政権交代期に、このような推進について、私は本当に危険だと思っている」

     そして、最も目を引いたのは、5月5日、韓国の「子供の日」の行事で青瓦台に招請された子供たちの前で、「皆さんが青瓦台で遊べる最後の子供たちになった」と言い放ったことだった。5月10日から一般市民に青瓦台が全面開放されるというのに、事実に反するようなことまで口にして、執務室移転への強い反感を改めて示したわけだ。

    かつて自分が公約していた内容なのに、次期大統領が実現すると猛批判

    尹次期大統領の強硬な対北朝鮮政策については、「国家指導者として適切ではない。北朝鮮を相手にした経験がないからだろう」と言いがかりをつけ、尹政権の代表公約である女性家族部廃止については、「よく知らないまま女性家族部を廃止すると言ってはならない」と露骨に非難した。

    その反面、自身の在任期間を振り返りながら「危機を体験したが最も成功的に克服し先導国家に導いた大統領」と自賛するばかりか、文政権の最大アキレス腱になった不動産政策失敗については「不動産価格上昇は全世界的な現象で我が国の上昇幅が最も小さい側に属する」と開き直ってみせるのだった。

    これほど国民感情とは正反対の感覚をもちながら、その韓国国民が選んだ新大統領に対して「気に入らない」「危険だ」「よく知らないまま」などと見苦しい罵倒を続ける文大統領に、韓国の多くのマスコミは猛反発している。

    文在寅大統領の高い支持率のカラクリ

    文大統領が最後まで40%を超える高い支持率を得られた理由は、国民全体ではなく支持者だけに焦点を当てた独特の統治スタイルが功を奏したからだ。新型コロナウイルス感染症の渦中では防疫を口実に保守団体のデモは厳格に規制したが、民主労総など自分の支持団体の不法デモは見て見ぬふりをした。

    「住宅を所有すれば保守的になる」という持論を持った大統領府のキム・スヒョン政策室長が基本方針を立てた文政権の不動産政策は、住宅保有者に過度な税金を賦課する方向で一貫した。女性優待政策を施行する反面、若い男性たちを蔑んで敵に回し、若い世代には「ジェンダー対立」という新しい社会問題を抱かせた。

    結局、文在寅の歴代最高支持率は、歴代最高の「分裂的統治技術」が作り出した負の成果である。何よりも歴代最高の支持率にもかかわらず、「政権交代10年周期説」のジンクスを破り、5年ぶりに政権を明け渡した初の大統領になったことがその証拠だ。

    「退任後は忘れられたい」と言い続けている文在寅大統領だが、様々な意味で、韓国の歴史に末永く名を残すことになるだろう。

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