”辰巳天井″ 日本のアノマリー相場格言
29日 東京証券取引所で大納会を終えた。日経平均株価は3,464円で34年ぶりの高値水準だった。
取引終了後、東証では年末恒例の大納会が行われ、野球WBC日本代表で監督をつとめた栗山英樹氏が登場、鐘を打ち、1年を締め括った。
2023年は、東証が上場企業に資本効率や株価を意識した経営を要請したことや円安で輸出関連企業の業績が好調だったことを追い風に株価が大きく上昇した。日経平均株価は1月4日に2万5,000円台で取引を始めたが、7月には3万3,753円とバブル経済崩壊後の高値を更新した。
年間での上昇幅は7,369円と、1989年以来の大きさとなった。辰年の来年は「辰巳天井」という格言があり、高値を付けやすいとされている。歴史的な株高が2024年も続くか注目される。
🏇 33年ぶりの高値に沸いた日本株…
2024年、米国株の見通し…
2024年の米国マーケットに影響を与える重要なトピックとしては、11月5日に行われる大統領選挙があります。過去のデータをみると、現職の大統領が再選を目指して立候補した場合、米国株は年平均12.8%上昇しています。
現状、バイデン大統領は再選を目指していることから、米国株は上昇する年となることが予想されます。とはいえ前回の大統領選では、当時大統領であったトランプ氏が優勢との見方が強かったものの、大接戦の末に共和党のトランプ氏が敗れ、民主党のバイデン氏が当選しました。
このように選挙は情勢が一気に変わる可能性があるため、結果が出るまでどうなるか分かりません。とはいえ、今後、バイデン大統領に失言や大きなスキャンダルなどがあった場合、マーケットは方向性が定まらない混乱した状況が続くシナリオもゼロではないでしょう。
またトランプ元大統領が現在も人気を維持していることから、4年前の選挙と同じく一騎打ちの構図となるかもしれません。
どちらが当選するにせよ、前回のように選挙後に混乱しないで勝ち負けがハッキリした方が、当然マーケットにはプラス材料です。
とはいえ、こうした一時的な調整局面があったとしても、年単位で振り返れば結果的に絶好の買い場であった可能性が高くなることが予想されます。
また大統領選挙以外でマーケットに影響を与える要因としては、「FRBの利下げ」に注目です。
現状、FRBメンバーは2024年の間に3回の利下げを予想しており、金利と株式はシーソーの関係にあることから、利下げは株高要因となると考えられます。
つまり、2024年を通じて、基本的に米国株は強気相場の年になることを意味するのです。
そのため、季節性アノマリーなどを考慮しつつ、地合いによって株価が下落局面になったときに、しっかりと買い進めていくことが、結果的に良いパフォーマンスにつながるのではないでしょうか。
それから金融における基本的な市場サイクルも意識しておくと良いでしょう。
おもに「金融相場」「業績相場」「逆金融相場」「逆業績相場」とよばれる(1)~(4)の4つの景気サイクルが巡っています。
(1)【金融相場】金融緩和で株価が上昇し始める、企業業績の影響はほとんどない
(2)【業績相場】上昇局面の終盤は株価も企業業績も上昇する
(3)【逆金融相場】金融引き締め策により、株式市場が下落する
(4)【逆業績相場】株式市場の下落よりあとに企業業績が悪化する
現在のようなFRBの利上げが終わった局面は、逆金融市場から逆業績相場に移行する時期といえるでしょう。
また相場サイクルの観点では、「逆業績相場」と「金融相場」が同時に進行していると考えられます。つまり米国の景気減速に伴い、企業業績も鈍化するでしょうが、景気減速の程度がそれほど深刻でないため、株式市場は現時点の業績を悪材料とせず、むしろ将来の業績回復に期待する局面といえるのです。
これは、FRBが利下げに転じる期待と相まって、景気と業績の見通しと利下げ期待が相互に影響しあう状態になるということです。
そして、米国経済に大きな影響を与え、現段階ではどのように着地するのか、先行きがまだわからない課題があります。それが次の項目で解説する米国のソフトランディングです。