「人を騙す奴は本当に頭にくる」―ー
プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督が1日、警視庁の特殊詐欺被害防止の広報大使に委嘱された。
新庄監督は、詐欺被害を減らすため、協力していきましょう」と呼びかけた。
被害が目立つ高齢者に息子や娘が声がけして詐欺を防止できるよう、40~50代に人気があるとされる新庄監督に警視庁が就任を依頼した。新庄監督は来年3月まで啓発動画やチラシに登場する。
新庄監督は自身も過去に詐欺被害にあったことを明かし、すごく詐欺に遭った人の気持ちはわかる。詐欺をストップさせる気持ちで動いていきたい」と意気込んだ。同庁の山本仁副総監は「新庄大使のメッセージが多くの人に浸透し、詐欺被害に遭う人が一人でも少なくなるよう願う」と挨拶した。
金額もそうだが、裏切られたことはもっと悔しい!
新庄は、西日本短大付から1989年にドラフト5位で阪神に入団。直後から、母親の知り合いのAさんに金銭管理をすべて任せていた。Aさんは豪邸に住み、いくつもの会社を経営する人だった。新庄は「この人なら大丈夫だと思いますよね」と稼いだ金をすべてAさんに預けていたという。
「Aさんは良き相談相手でした。スター選手になったのは、Aさんのおかげ」と新庄さんは強調した。反対の声もあったメジャー行きを後押ししたのもAさんだった。毎年、車を買い換えるなど無謀な散財で渡米前は貯金がほぼゼロだったが、メジャー1年目のNY・メッツでは日本人で初めて4番を打つなど活躍。オフは、スポンサー契約も相次ぎ、当時について「野球はなんてマジ、バイト」と振り返った。
その後、2006年に日本ハムを最後にプロ野球を引退するまでに44億円を稼いだ。ところが、引退後にCM撮影で訪れたインドネシアのバリ島が気に入り当地への移住を決心して預金口座を確認したところ、税引きで22億円あるはずの残高が2200万円しかなかったことが判明。Aさんを問い詰めると、相談なしに会社の資金に流用していたと答え、返すことを拒否したという。
裁判に持ち込んだが、2012年にAさんが破産宣告をしたため裁判自体が終了。戻ってきたのは8000万円だけだった。