第78代警視庁捜査1課長に就任した国府田剛氏
殺人や強盗などの凶悪事件の捜査を指揮する警視庁捜査1課長に鑑識課長の国府田剛氏(58)が20日付で就任する。
捜査1課勤務は初めてだが、「日常生活を脅かす犯罪者を絶対に許さない。あらゆる捜査手法を駆使して徹底的に検挙する」と固く誓う。
刑事の原点は、原宿署での勤務だ。巡査として地域犯罪と日々向き合っていた平成7年3月、地下鉄サリン事件が発生。翌日に特別捜査本部に招集された。他県警と合同で松本サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件など、世界を震撼させたオウム真理教の一連の事件捜査に従事。「他県警と協力する重要性や、不安が渦巻く中で警察捜査への期待を背に捜査を推進できたことは貴重な経験になった」と振り返る。
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神奈川県茅ケ崎市出身で、昭和62年入庁。警視庁の刑事だった父の背を見て育ち、幼いころから刑事になることを夢見てきた。夢が現実のものとなってすぐに父は他界。「地域住民のために仕事をするのが刑事だ」と言い聞かされた言葉を今も胸に刻む。
国内では内では手荒な強盗事件が相次ぎ、国民の体感治安は悪化している。その最中に首都・東京で発生する凶悪犯罪の捜査のかじ取り役を任され、「全国警察ともしっかり連携し、首謀者まで一網打尽にできるよう捜査を進める決意だ」と力を込める。
「プロ集団」を束ねる重責にも「多角的にアプローチできると考えている」とし、科学捜査の手法を駆使しつつ「証拠の宝庫である現場を大切にし、足で稼ぐ捜査も融和させ、総合的に捜査を推進する」と語る。